AMEICCとは

背景

日アセアン経済産業協力委員会(AMEICC)は、1997年12月にマレーシア・クアラルンプールで開催されたASEAN-日本サミット会議の承認に基づき1998年に設立されました。AMEICCは、産業協力の強化、ASEANの競争力向上、および新加盟国への開発協力支援を議論するための政策協議機関です。初の会議は1998年11月にバンコクで開催され、以降、毎年開催されています。

What is AMEICC

目的

AMEICCの目的は、以下の3つの柱から成り立っています:

  • Improvement of ASEAN competitiveness

    ASEANの競争力向上
  • Enhancement of industrial cooperation

    産業協力の強化
  • Development cooperation assistance to new ASEAN member countries

    新しいASEAN加盟国への開発協力支援

構成

AMEICC事務局は、ASEAN事務局と一般財団法人海外産業人材育成協会(AOTS)の支援を受け、閣僚レベルでの議論、分野別作業部会、そして日ASEAN協力プロジェクトを運営しています。これらの活動を通じて、日 ASEAN 経済大臣会合(AEM-METI)において提言を行っています。

Structure : AEM-METI

  • 閣僚レベルでの議論
  • 分野別作業部会
  • ASEAN-日本協力プロジェクト

1. 閣僚レベルでの議論

(a) 日 ASEAN 経済大臣会合

AMEICCは1998年の設立以来、毎年AEM-METIに参加し、日ASEAN協力の枠組みのもとで行われているAMEICC事業活動の最新状況を報告し、必要に応じて政策提言も行っています。

(b) 日メコン経済大臣会合

2009年以降、日メコン経済大臣会合(MJEMM)が毎年開催され、メコン諸国と日本の協力を促進させるとともに、その成果を日本・メコン地域諸国首脳会議で報告しています。AMEICCは本大臣会合の主催者および中心的な事務局として、日メコン協力において実施され達成した重要な成果を毎年報告し、メコン開発の進展と今後の方向性について経済産業大臣に最新の情報を提供しています。

2. 分野別作業部会

(a) 自動車産業(WG-AI)

ASEANは日本の自動車産業にとって戦略的な製造拠点であり、Working Group on Automobile Industry(WG-AI)は1998年にAMEICCが設立されて以来あるワーキング・グループで、自動車産業の協力強化、ASEANにおける自動車産業の競争力向上、自動車産業に関する政策や今後の方向性(例:車両の電動化、カーボンニュートラリティ、モビリティサービス)等の情報交換を促進することを目的としています。

(b) 化学産業(WG-CI)

Working Group on Chemical Industry (WG-CI)は、1999年から日本とASEAN諸国の化学産業の発展を促進し、化学関連の規制や政策に関する最新情報を提供することを目的としています。また、WG-CIは日ASEAN化学物質管理データベース(AJCSD)に関する問題にも取り組んでおり、これにはASEANと日本における化学物質の規制情報も含まれています。さらに、環境への配慮、プラスチック廃棄物の管理、防災、技術支援を通じた技術移転、カーボンニュートラリティと循環型経済に向けた化学産業の革新的アプローチに関する情報交換も行っています。

(c) 中小企業(WG-SME)

AMEICCは、2007年からASEAN 中小企業調整委員会(ACCMSME)と中小企業庁との共同協議に参加しており、これにより中小企業との連携協力の強化、ASEAN域内での中小企業の競争力向上、ASEAN加盟国(AMS)間での中小企業促進政策に関する情報交換を行っており、さらにAMSの農村地域での中小企業育成、CLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)諸国に対する中小企業の発展支援を目的として活動しています。

(d) 西東回廊開発(WG-WEC)

West-East Corridor Development (WEC-WG)は、ASEANの旧加盟国とCLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)との間の開発格差を是正することを目的とし、メコン地域のあらゆる主要分野における開発を促進するためのワーキング・グループ(WG)です。そのために、日メコン経済産業協力イニシアチブ(MJ-CI)(2010年-2015年)、メコン産業開発ビジョン (MIDV)(2016 年~2020 年)、および、メコン産業開発ビジョン2.0(MIDV2.0)いった各種取り組みや行動計画、作業計画が実施されています。さらに、WEC-WGと連携して開催される日メコン産業政府対話という官民対話を通じて、日本とメコン諸国との間のビジネス環境の改善を目指します。

3. 日ASEAN協力プロジェクト

分野別作業部会に加えて、AMEICCの複数のプロジェクトは、以下のような日ASEAN協力の枠組みの下で推進されています。

日ASEANにおけるアジアDX促進事業: AMEICCは、アジアデジタルトランスフォーメーション(ADX)の強化を目的とした財政支援プログラムを支援しています。本事業は、経済産業省(METI)の資金提供を受けており、日ASEAN経済強靭化アクションプラン におけるプロジェクトの一つです。デジタルイノベーションの促進によって、COVID-19による課題を含む、ASEANのさまざまな社会経済的課題を解決することを目的としています。本事業では、日本企業とASEAN企業が共同で実施する実証事業にかかる費用が支援対象となっており、医療・ヘルスケア、農業、水産業、観光・モビリティ、環境・エネルギー、製造業・人材などの幅広い分野が対象です。

海外サプライチェーン多元化等支援事業: 日ASEAN経済強靭化アクションプラン における旗艦プロジェクトの一つとして、AMEICCは、経済産業省(METI)から資金提供を受け、財政支援プログラムを支援しています。国際的な生産拠点が高度に集中している物品に関連する設備導入、実証実験や実現可能性調査などを通じて、ASEANと日本の間のサプライチェーンの強靱性を高め、産業の持続可能性を強化することを目的としています。

AMEICC事務局に関する詳細情報は、以下をご覧ください。